かつお溜め釣り漁伝来350年 気仙沼で行われた記念事業を振り返る

おすすめ 2026/03/21

江戸時代に紀州から伝えられた「かつお溜め釣り漁」。
気仙沼では、この漁法が伝えられてから350年という節目を迎えました。

この記念の年には、歴史や文化を学ぶ取り組みや、かつおの食文化を広く伝える企画、地域や企業と連携したイベントなど、さまざまな記念事業が行われました。

実施された事業は全部で46事業。
この記事では、その中から14の取り組みをダイジェストで紹介しながら、かつおとともに歩んできた気仙沼の魅力を振り返ります。

Heritage

歴史・文化の次世代への継承事業

かつお溜め釣り漁伝来
350年記念シンポジウム

  

開催日:
2025年7月20日

会場:
中央公民館

参加人数:
300人

紀州鰹漁と熊野信仰の歴史や文化をテーマに、次世代への継承を目的としたシンポジウムを開催しました。

江戸時代初期の延宝3年(1675年)、紀州新宮領三輪崎の紀州船5隻を唐桑村の鈴木勘右衛門が鮪立に招いたことから、気仙沼のかつお溜め釣り漁は広まりました。講演では、この歴史的背景や水産都市気仙沼の成り立ちについて紹介されました。

市外からの参加者も多く、オープニングとエンディングに披露された大漁唄い込みには感動の声が上がりました。

カツオ食文化講話

開催日:
2025年7月19日

会場:
海の市2階
ホヤぼーやホール

参加人数:
70人

食文化研究家の長内あや愛氏を講師に招き、カツオの食文化をテーマにした講演会を開催しました。

講話では、かつおの食文化の背景や歴史を紹介するとともに、昔の味付けを再現したカツオ料理を参加者に試食してもらいました。

実際に味わった参加者からは「大変おいしい!」という声も聞かれ、かつおの食文化への理解を深める機会となりました。

また、この取り組みは水産新聞などの各種メディアでも紹介されました。

カツオ歴史・文化資料展〜
かつおと共に歩んだ350年〜

開催日:
2025年7月2日
〜31日

会場:
リアスアーク美術館

参加人数:
825人

かつお漁に関する漁具や資料、パネルなどを紹介する資料展を開催しました。

展示は、気仙沼市役所魚市場前庁舎、唐桑半島ビジターセンター、はまなすの館美術館、大島開発総合センターの4会場を巡回し、それぞれ約半月ずつ展示を行いました。

来場者は漁具やパネル展示を興味深く見学しており、中には学芸員に熱心に質問する姿も見られるなど、かつお漁の歴史や文化への関心の高さがうかがえました。

Promotion

魚食普及事業

かつおde乾杯!
~気仙沼のかつお。
脂も人生ものっている~

開催日:
2025年11月13日

会場:
@Spemo Camping Space池袋

参加人数:
25人

フードコーディネーターのあまこようこ氏を講師に招き、かつおの新しい食べ方を紹介する講話と試食会を開催しました。

当日は、都内在住の参加者に気仙沼のかつお漁の様子を動画で紹介した後、刺身やたたき以外の調理方法について講話を実施。実際に料理を試食しながら、かつおの新たな魅力を体験してもらいました。

気仙沼のかつお文化を食の視点から紹介する機会となりました。

学校給食での提供

開催日:
2025年7月16日

会場:
市内小中学校

参加人数:
3,600人

市内の学校給食で、地元産のかつおを使ったメニューを提供しました。

ミツカンから提供されたポン酢を使い、「かつおのポン酢がらめ」を給食メニューとして提供。かつお溜め釣り漁伝来の地である唐桑小学校では、給食の様子を報道機関が取材し、テレビや新聞でも紹介されました。

実際に食べた児童からは「おいしかった」といった声が聞かれるなど、地元の水産物に触れる機会となりました。

調理実習(小学校対象)

開催日:
2025年10月22日

会場:
面瀬小学校

参加人数:
96人

面瀬小学校を対象に、かつお溜め釣り漁伝来350年に関する講話と調理実習を行いました。

授業では、目の前でカツオがさばかれる様子を見学し、生徒たちは興味深そうに見入っていました。その後は保護者と一緒に調理に取り組み、にぎやかな雰囲気の中で実習が進められました。

ボリュームのあるメニューでしたが、おかわりする子どもも多く、これまで魚が苦手だった児童が自分で調理したことで食べられるようになる場面も見られました。

担任の先生からは「普段見ることのできないカツオの解体や調理体験は、子どもたちにとって貴重な経験となった」との声がありました。また、この体験をきっかけに、カツオが獲れる海と自分たちをつなぐ「港」について学ぶ学習にもつながっています。

Collaboration

企業等との連携事業

みんなの笑顔プロジェクト
(キヤノンとの連携事業)

開催日:
2025年7月5日

会場:
魚市場クッキングスタジオ

参加人数:
25人

キヤノンとの連携により、魚市場見学や料理体験などを行う体験型イベント「みんなの笑顔プロジェクト」を開催しました。参加者は各場面をカメラで撮影しながら、気仙沼の水産業や食文化に触れるプログラムに参加しました。

当日は、かつお一本釣り船が5隻入港し、水揚げの様子を撮影。情報発信施設の見学の後、クッキングスタジオではかつおのあら汁や炊き込みご飯などを調理しました。

「これぞ気仙沼の朝の風景」と、参加者からは満足の声が聞かれるなど、気仙沼の水産文化を体験できる機会となりました。

つながるマルシェ
in 代官山
(東急不動産との連携事業)

開催日:
2025年11月15日〜16日

会場:
代官山TENOHA

参加人数:
1,000人

東急不動産との連携により「つながるマルシェ in 代官山」を開催し、気仙沼産水産物や観光のPRを行いました。会場では、かつおのたたきの試食やホヤぼーやとのじゃんけん大会などを実施しました。

また、かつおの試食に加え、かつお一本釣り体験も行い、来場者が楽しみながら気仙沼の水産文化に触れる機会となりました。

気仙沼という地名を知っている人は多い一方で、「かつおの水揚げ日本一」であることを知らない人も多く、イベントを通じて気仙沼のかつおの魅力を広くPRすることができました。

気仙沼・南三陸物産フェア
(県との連携事業)

開催日:
2025年10月13日〜15日

会場:
イトーヨーカドー木場店(東京都)

参加人数:
1,405人

気仙沼地方振興事務所水産漁港部と共催で、気仙沼産水産物や水産加工品を紹介する物産フェアを開催しました。会場では特産品の販売に加え、観光PRも行い、気仙沼の魅力を首都圏に向けて発信しました。

会場では「気仙沼かつお」に関するアンケートも実施し、100名から回答を得ました。調査の結果、都内では気仙沼かつおの認知やイメージがまだ十分に広がっていないことも分かりましたが、フェア自体は好評で、多くの来場者に気仙沼の水産物を紹介する機会となりました。

気仙沼旬かつお祭り

開催日:
2025年9月12日〜
10月31日

会場:
東京都

参加人数:

フーディソンとの連携により、JRの物流サービス「はこビュン」を活用し、朝に気仙沼で水揚げされたカツオなどの水産物を東京駅構内の鮮魚店などに届ける取り組みを行いました。

新鮮な気仙沼産カツオを首都圏で販売することで、水産物の魅力をPRする機会となりました。

生のカツオの柵が市内販売価格の倍以上で販売されるなど、商材価値の向上につながる結果も見られ、気仙沼産生鮮かつおの認知向上にもつながりました。

Events

イベント事業

気仙沼かつお祭り
350年記念イベント

開催日:
2025年7月1日〜31日

会場:
海の市・お魚いちばほか

参加人数:
64,400人

海の市・お魚いちばを中心に「気仙沼かつお祭り」を開催しました。

ステージでは夢グループの石田社長と保科さんが登壇し、午前と午後の2回にわたりトーク&歌謡ショーを実施しました。

会場では藁焼きカツオの振る舞いを行い、午前と午後を合わせて700食を提供。藁焼きを体験できる時間も設けられました。

かつおの不漁が続く中でカツオを味わえる機会となり、「カツオが食べられてうれしい」「おいしい」といった声も聞かれました。

また、期間中には、かつお商品を含む3,000円以上の購入または飲食でカツオ1本などが当たるキャンペーンを実施。 7月6日・13日・20日・27日には、かつおの握り寿司の振る舞いも行われました。

江戸川区民祭り

開催日:
2025年10月15日

会場:
都立柴崎公園

参加人数:
180人

江戸川区民まつりに出展し、生鮮かつおや秋の味覚のPRを行いました。

会場では、かつお一本釣り体験や輪投げなどの企画を実施し、また、隣のブースではかつおのハラス焼きが販売され、行列ができるほど盛況となり、多くの来場者が気仙沼のかつお文化に触れる機会となりました。

江戸川区民の中には気仙沼を訪れたことがある人も多く、地域の認知度の高さに驚く声も聞かれました。

気仙沼市産業まつり

開催日:
2025年10月26日

会場:
魚市場

参加人数:
730人

気仙沼産業まつりでは、「かつお溜め釣り漁伝来350年」に関連した特別企画として、魚市場ガイドツアーや一本釣り体験、カツオの講話などを実施しました。

普段はなかなか入る機会のない魚市場を歩きながら説明を受けるガイドツアーは、当日受付ですぐに定員に達するほどの人気となりました。

また、小野健社長によるカツオの講話にも多くの人が耳を傾け、最後には藁焼きカツオの振る舞い(700食)が行われるなど、かつお文化を体感できる取り組みとなりました。

鮪立大漁唄込保存会創立50周年まつり

開催日:
2025年7月12日〜13日

会場:
鮪立大漁唄込保存会館・海岸広場

参加人数:

保存会創立50周年を記念し、写真展示や衣装展示、海岸広場での大漁唄込披露などを実施しました。

地域の伝統文化を伝える節目の行事となりました。

まとめ

かつお溜め釣り漁伝来350年という節目の年。気仙沼では、歴史や文化を学ぶ取り組みや食の魅力を伝える企画、地域や企業と連携したイベントなど、さまざまな記念事業が行われました。

今回の記念事業では

実施事業:46事業
延べ参加人数:約9万人

多くの人が気仙沼のかつお文化に触れる機会となりました。

この記事では、その中から14の取り組みを紹介しましたが、どの事業からも、かつおとともに歩んできた気仙沼の歴史や文化の広がりを感じることができます。

350年という長い時間の中で受け継がれてきたかつお文化。これからも、かつおとともに歩むまち・気仙沼の魅力は、未来へと受け継がれていきます。