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こどもたちの健やかな成長を願う「海神様」 | 【テスト】気仙沼の観光情報サイト|気仙沼さ来てけらいん

疫病退散! 家内安全! 商売繁盛!

こどもたちの健やかな成長を願う「海神様」

おすすめ 2025/01/20

鬼のお面をかぶった気仙沼の「海神(かいじん)様」。地元の人にはよく知られていますが、読者の皆さんはご存知でしょうか?
海神様は、健やかなこどもの成長を願い、家内安全や商売繁盛を祈願して、家庭やお店を訪問します。

2月の第3土曜日に行われることから、今や気仙沼の冬の風物詩とも言われるようになった海神様ですが、きっかけは、ある男の子3兄弟のお父さんが「弟たちをいじめる長男坊に言うことを聞かせよう」と思い立ったことが始まりでした。

その「言うことを聞かなかった長男」であり、海神様の行事を主催している「甚六鬼の会」小山裕隆さん(コヤマ菓子店)にお話を聞きました。

ー小山さんのお父さんが海神様を始めた頃のお話から伺ってもいいでしょうか。
小山さん:僕は小さい頃、母親の言うことを全く聞かなかったんです。それで父親が「圧倒的に怖いものを見せて言うことを聞かせよう」と、秋田からなまはげのお面を2つ取り寄せて、見よう見まねで衣装を作り、強面の友人2人に着てもらったら、それが本当に怖かったみたいで。
「これを家庭の事情で使うのはもったいない」となって、三陸新報に「気仙沼版なまはげを呼びませんか?」という広告を出したんです。

そしたら、20件くらいの応募があって、どの家庭に行っても大好評だった。
「じゃあ、来年も来て欲しい」となって、5年後くらいには100件近くになりました。
今は少子化で依頼も減りましたが、60〜70件くらいの応募がありますね。海神様は基本的に「こどもの健やかな成長を願う」ものなんです。

ーそうなんですね。以前は「気仙沼版なまはげ」と言われていましたが、海神様と呼ばれるようになってからの変化はありましたか?

小山さん:8年目くらいから、海神様という名前でやっていくことにしました。衣装に、ビン玉や、ホタテや、漁網をつけて、気仙沼らしさを表しています。「なまはげ」との一番大きな違いは「問答をしたり、褒めたりする」ということです。


ー問答というのはどういうことですか?
小山さん:「なんで嘘をつくんだ?」「嘘をついたらどうなるんだ?」と聞いていきます。
そこで、こどもがひねくれて「いいじゃん別に。」と言ってきたら、親から離して、一人にしてもう一度聞くんです。
こども一人一人に向き合って、本当にダメなところは何かを聞く気持ちでやってます。ただ「言うこと聞けよ!」と言われるより、こどもにとっては嫌かもしれない。

ー現代的に「さとす」感じなんですね。
小山さん:そうですね。怖がって泣いたりはしなくても、聞かれたくない核心に触れた時に泣く子もいる。いろんな子がいて、同じパターンはないです。

ーこどもたちへの問いは事前に聞くそうですが、そのあとのやり取りはアドリブですか?
小山さん:そうです。まず、電話で親御さんにお子さんの良いところ、直して欲しいところを聞いておきます。あとはアドリブ。
「約束破ったら明日にでもくるからな」と、衣装の鈴をブチっとちぎって親に渡して「お母さん、これを3回鳴らしたら来ます」と言ったり。
ーすごいアドリブですね。

小山さん:だからこっちも必死です。若手は、大人相手にやってみて、オーディションをするんです。しっかりと考えていないと、こどもと向き合った時に言葉が詰まっちゃうんですよ。
あとは、まずは褒めるのが大事。「サッカー頑張ってんだってな。でも、宿題やんねーんだってな?」と。
褒めて聞く耳を持たせてから、本題に入る。

ーそれで、聞いてくれるものですか?
小山さん:「ハイ」と納得させるまで、いろんな方法で海神様は粘る!
「弟は悪くありませんから!」と言って、かばいにくるお姉ちゃんがいたりして……「海神様はいい子には優しいんだぞ」と言ってあげたこともありましたね。そのお姉ちゃんの姿をみて、弟はわかってくれたと思います。

ーそれだけこどもと向き合ってきたら、毎年顔を合わせて成長を感じそうですね。
小山さん:そうですね。2年目は「今年も来たぞ〜!」「約束守ってたか〜!」って言いながら訪問しています。卒業証書もあるんです。

▲卒業証書を渡す様子。(小山さんに昔のお写真をお借りしました。)

小山さん:いい子になったら卒業、つまり海神様はもうこないというふうにできるんですよ。データベースがあって、3年くらいでそろそろ卒業となります。卒業証書を渡すかどうかは、その場で海神様が判断します。

ー逆にいうと、ちゃんと卒業を認めるまで海神様はやってくるんですね。海神様はこどもたちをずっと見守ってるんだというのが、よくわかりました!

今回の取材を通して、海神様は、見た目で怖いイメージがあったのですが、実際はとても優しいんだなというのも、知ることができました。
小山さん、ありがとうございました!

※今年(2025年)は、2月15日(土)に、海神様が街中に現れる予定です。

今回取材した、小山裕隆さんの「コヤマ菓子店」さんは、気仙沼の人気のお菓子屋さん。「はまぐりもなかくっきー」や、小山さんが作るオーダーメイドの似顔絵・イラストケーキが人気です!

店舗名
コヤマ菓子店
住所
気仙沼市魚市場前1-31
営業時間
9:00~19:00
定休日
水曜
駐車場
あり
HP
https://koyama-kashi.jp/

コヤマ菓子店さんのバレンタインのおすすめお菓子はこちらの記事にも掲載されています。
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※海神様の写真は、「かとうまさゆき氏」の撮影です。